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オールド弘法道

 先に発刊された樹林舎「知多巡礼紀行」では、企画の大きな柱として「弘法道」を大きくクローズアップしています。弘法道とはなんぞや?簡単にいうと、徒歩による知多四国の巡拝コースのことです。
 今ではほとんどの人が、知多四国巡拝に車を利用していると思います。名鉄のハイキング企画「歩いて巡拝(まいる)知多四国」の参加者は歩いていますけど、それ以外で歩いている人は、よっぽど歩くのが好きな人か、心になにかを背負った人とか、そんな人たちぐらいではないかな?
 戦後、バス利用が中心になるまでは、ほとんどの人は歩いて巡拝してました。そんな時代に使われた、寺を巡るための最短ルートが「弘法道」です。
 昔の道といっても、こんなに開発が進んだ今、どうやってそのルートを証明するんだ?という疑問があるでしょう。古地図と比較したり、年寄りに聞いたりなど、調査方法はいろいろありますが、本書で根拠のひとつとしたのがコイツらです。

090708-1.jpg (武豊町里中)

 こちらは「丁石」と呼ばれる距離標石。次の札所までの距離をカウントダウンで示したものです。

090708-2.jpg (武豊町東大高)

 そしてこれは「道標」の一種。
 道路改修でどっかに捨てられたり、まとめて寺や半田市立博物館に移設されたり(→●□)ということもありますが、知多には意外とこういうものがたくさん残っています。で、こうした石造物を丁寧に辿ってゆくとあら不思議、一つの道筋が浮かびあがってくるのです。
 丁石や道標の調査を10年以上前からコツコツやっておられたのが、本書制作メンバーのひとりで地元在住のT先生。先生が1万分の1地図に記録したルートを、出版にあたって先生と僕で再調査して修正を加え、まとめたのが、別冊の「弘法道地図帳」です。

090708-3.jpg

 もちろん、道路改修や土地改良なんかのおかげで、利用されるルートは結構頻繁に変わったりするものですが、今回はまだ誰もやってない(出版物にしていないという意味で)ことが本になったということで、ひとつの指標にはなると思います。

 しかし、知多半島みたいなダラーっとした地形のところに、そんなに面白味のある古道が残っているのか?これが意外とあるんです。ひとつ例を挙げると、南知多町内海の44番大宝寺付近。

090708-4.jpg
                               ↑80過ぎなのに元気に峠越えするT先生

 43番岩屋寺方面から、44番大宝寺へは「名切坂」と呼ばれるこんな峠道を越えていました。熊野古道を彷彿とさせるつづら折れ。世界遺産と比べちゃ規模的にアレだけど。

090708-5.jpg

 切り通しの峠には石仏も。そもそも知多半島なんぞに峠道があるってのも意外だが。
 もちろん平地にも、忘れ去られた旧道が残っていたりします。マニアックな道標もたくさんあるし(ていうか道標自体がすでにマニアックか)。いずれ古地図も駆使しつつ、全区間を細かく紹介していきたいものです。
 
 なお、本書を見て歩こうとされる方は、くれぐれも自己責任でお願いします。危ないところもあるので。あと、住宅地を歩くときは住民に通報されないよう誤解を招く行動(撮影とか)にご注意を…。

090708-6.jpg 
知多巡礼紀行
監修 知多四国霊場会
発行 樹林舎
定価 9975円(別冊地図帳付き)

(まさ)

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MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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