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大高町を歩く

 昭和の大合併以前に存在した自治体を徘徊するシリーズの第5弾。今回は名古屋市最南端に位置する大高町です。
 大高じたいは何回も歩いているのだが、最近とある本の企画で古い街道を探索しており、その一環として数日前に改めて歩いてみた次第。ちなみにその街道とは、常滑街道の名和(東海市)と旧東海道の鳴海宿を結ぶ“連絡路”。なんちゅうマニアックな企画だ…。
 
 大高というと、最近は南大高駅が開業してちょっとだけ脚光を浴びましたが、そこは新興開発地域。大高駅に近くの旧市街には古い町並が残っており、なかなか趣きがあります。有松ほどのハデさはないけど、うまく宣伝すれば名古屋の新しい町並系観光スポットとして急浮上してもおかしくありません。まあ、売り出そうという気は地元民にないでしょうけど。

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 最大の売り出しネタは酒蔵。なぜか大高には3軒もの酒の蔵元が現存しています。上の写真はそのうちのひとつ、萬乗醸造(→●□)の母屋。シブすぎ!で、この前を通るこの細い道が名和鳴海往還(名前がないので勝手に命名)。

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 名和鳴海往還は萬乗醸造のところで直角に折れ曲がり、北上します。その界隈が大高の本町。大高城址の真下に位置し、たぶん城下町として町並が形成されたのでしょう。
 この写真は角から少し入り、萬乗醸造の正面を見たもの。レンガの煙突が実に味わい深い。萬乗の酒は飲んだことありませんが、通には「醸し人九平次」の醸造元として非常に有名らしいです。飲みてえ~。

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 本町から鳴海方面に進み大高川に差し掛かると、「江明公園」という小広場の一角に大高町道路元標と役場跡の碑が並んで立っています。石碑をよく見ると「旧知多郡大高町」の文字が。何食わぬ顔して名古屋市に入っているけど、実は大高は知多郡なのだ。てことは大高の3蔵は、近世に名を轟かせた「知多酒」の一翼ってこと?

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 ちなみに萬乗以外の二つの蔵元は、「神の井」(→●□)と「鷹の夢」(→●□)。しかし「鷹の夢」って凄い銘柄だ。英語にするとHawk's Dreame。

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 大高川を渡ると、旧東海銀行大高支店の建物が残存。銀行は比較的、街道に面して建つことが多いので、この道が名和鳴海往還であることの証拠と言ってもいいでしょう。ファザードは銀行建築らしい重厚さだが、後ろを見ると和風建築。シブい。
 さて、今回のハイライト。この記事はこれを出したかったがために書いたようなもんです。旧東海銀行から名和鳴海往還をさらに進み、八幡神社の片隅に「資料収蔵庫」の表札を掲げたこんなモノが!

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 これは…もしかして奉安殿?
 奉安殿とは、戦前、全ての小学校に置かれていた、天皇の御真影や教育勅語の収蔵庫のこと。当時の子供たちは学校に来ると、まず奉安殿に最敬礼していました。戦時教育の象徴ということで、戦後取り壊しが命じられた、はずなのだが…。
 まさかこういうものが再建されるとも思えず、とするとホンモノ?
 「××の100年」「△△の今昔」などむかし手掛けた古写真集の取材で、奉安殿の写った写真は嫌になるほど見てきたけど、いや~、びっくり。侮れないぞ大高。
 と言いつつ、現物に遭遇するのは実は2例目だったりします(もうひとつは碧南某所で)。
(まさ) 

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◎旧自治体徘徊シリーズ
2007.09.24 愛知郡八幡村→●□
2008.02.03 西春日井郡楠村→●□
2008.04.17 愛知郡金城村→●□
2008.10.22 愛知郡御器所村→●□
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コメント

nao

そうなんです
あそこは侮れません

萬乗酒造がつくっている
「醸し人九平次」なんぞは、
フランスでは高級ワインに匹敵する銘酒!
フランス料理界で認められた「SAKE」の筆頭家老です。
こんなところで、そんな酒が造られているというのが
不思議だった・・・名古屋では千種区の某酒店でしか
手に入りませんが・・・

しかし、奉安庫のリニューアル保存版け!?
驚いたなあ・・・

つちのこ

はじめまして!
はじめてコメさせていたただきます。“つちのこ”といいます。
先日、偶然に貴ブログ&「まるかどめるかど」を見つけ、楽しく拝見しました。
私は「琺瑯看板探険隊が行く」という、ホーロー看板にこだわったマニアックなサイトを作っています。最近は、酒蔵めぐりに凝っていまして、酒蔵にあるホーロー看板を取材しています。
最も、お酒が好きなので、看板がなくてもお酒の匂いをかぐたげで満足していますが(笑)。
貴サイトの「酒カンバンの手帖」の、看板を広い視点で調査している姿勢に感心しました。
これからもちょくちょく遊びに来ますね。

最後に、情報を少々。
・豊田市広瀬の梅村酒造の「英優」のホーロー看板については、足助町で見つけております。また、豊田市小渡町船戸の丸一商店という酒屋さんにも店舗用の看板があります。この店には「賜冠」も掲げられています。
・碧南の磯貝醸造場の「千代泉」の木製の額型看板が、多治見市の江本酒店にあります。
・新城市の赤羽根の「ムシオニン」と、豊川市平尾の「ミツカン酢」のホーロー看板は消失していました。
…長々と失礼しました。

まさ

まとめ返信
つちのこ様
閲覧いただき誠にありがとうございます。これからもどうぞよろしく。
貴殿のサイト「琺瑯看板探険隊が行く」は、僕も何かを検索したときに辿り着いて、拝見したことがあります。
改めて久しぶりに見てみましたが…すごいっすね。レベル高すぎます。
情報もありがとうございます。「英優」のホーロー、早速探しに行きます!
ところで、カンバンの所在地を書くのって、どう思われますか?
書いてしまうと探し出して勝手に持ってっちゃう人がいるんじゃないか、と心配で。
細かい地名にこだわるのがライターである僕の身上ではあるのですが、
最近、ちょっと考え方が揺れておりまして、
先達としてご教示いただければ幸いです。

nao様
「醸し人九平次」飲ませてください。

つちのこ

レスありがとうございます
まさ様
レスありがとうございます。
特にホーロー看板はマニアが多く、いわゆる“ホーロー狩り”と呼ばれる、売買目的に看板を剥がしていく輩がいるため、僕のサイトでは看板のあり場所を市町村名までにしています。
本当は県名ぐらいにとどめておくのが肝要かもしれませんが、レポートを書く上でぎりぎりの選択かと思っています。最も、ホーロー狩りの連中はあらゆる情報を辿って探しにきますので、それでも被害はあります。
今は、見つけた看板をサイト上で記録することで、もしもオークション等に出回ったときに、錆びやキズなどを確認して被害に遭った看板として特定できる可能性もあります。
昔はどこにでもあったホーロー看板がお宝として認知されるような、せちがない世の中になってしまいましたが、いずれ消えていく昭和の残像を、記録として後世に残していくのも必要かもしれませんね。
※英優の看板はすでに消失確認済みです。

Scruggs

東海銀行大高支店・・・
こんにちは、はじめまして
Scruggs(スクラッグス)と申します。
初めてコメします。

東海銀行大高支店跡ですが
今朝通りかかったら取り壊されて
更地になっていました

先日、足場を組んでいたので
「もしや」と思っていたのですが
ちょっと残念な気持ちです

知り合いの「元東海銀行員」の人に聞くと
銀行でそういう資産を保持することは
まずあり得ない、という事でしたので
おそらく現在の地権者の方が
更地にされたのだと思います

あ、それから「醸し人九平次」は
大高駅前の「とりこ」っていう
焼き鳥屋さんで飲めますよ
(2年ほど前ですけど)

まさ

No title
ありゃー、それはもったいない…というにはいささか微妙な建物でしたが、昔の銀行建築の一例としてたいへん貴重だったので、惜しいことです。

くへいじ飲みてえ~。
非公開コメント

MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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