春夏秋冬叢書
「そう」79号連動ネタ。
静岡県道333号の終点にあり、岬の名前にもなっている正太寺(しょうたいじ)は、三遠屈指の好ロケーションの寺です。標高52mの宇津山南面に境内が広がり、♪まえはう~み(湖)、うしろ~はハトヤ…、じゃなくて城跡があります。

湖岸から石段を登ると、昭和40年代の公営宿泊研修施設のような山門と、昭和40年代モダニズムな本堂が。公園のような開放的な雰囲気で、土地柄とよく合っている感じがします。

公園というのはあながち比喩ではなく、境内入口には昭和8年(1933)建立の「宇津山公園八十八ヶ所霊場」の石柱が建っており、公園化が目指されていた節も窺えます。
これまで当ブログでは、大正~昭和初期に流行した「レジャー施設としてのミニ八十八ヶ所」について何度も書いてきましたが、ここの八十八ヶ所は今まで来たことがなかったので、ついでに巡ってみました。

本堂脇から山を少し登ると、「阿波国」の標柱と共に霊場がスタート。隣に建つのは一番札所ではなく「手引観音」。弘法大師ではなく観音さんから始まるとは、意表を突くプロローグです。


一筆書きになるよう道が開かれており、沿道に弘法像が点々と祀られてています。ある場所は平坦、またある場所は急傾斜地と、変化に富んだ地形が実に面白い。

順番に辿っていると、レギュラーナンバーのほかに「番外」の弘法がやたらとたくさん祀られていることに気が付きます。チェックしたものを列記すると、三弘法、開運大師、足弘法、修業大師、鯖大師、母御前、浪切大師、十夜橋大師、親弘法、子安大師、厄除大師、止弘法大師と、もはや弘法オールスターズの様相。
像を寄進したのは地元の人で、募ってみたら88人を超えたため、そのフォローのために様々な弘法像が作られたのでしょう、たぶん。


50番くらいまで辿ると山頂に到着。そこは墓園になっており、その一角に「親弘法」と名付けられた一回り大きい像が祀られていました。そしてその奥の森の中には、戦国時代に今川氏が築いたという宇津山城跡の遺構があります。なんと、ミニ霊場にオプショナルコース!これは珍しい。

ところどころに好眺望ポイントも。対岸に舘山寺、遠くにアクトタワーも見え、実に爽快。

残りの札所を辿って本堂脇に下りてくると「お詣りおつかれさまでした」と労いのメッセージが。昭和の観光施設っぽくて実にいいですネ!
所要時間は、城跡も含めて小一時間といったところ。訪れたのは二月だったので冬枯れてましたが、春にはミヤマツツジが咲くそうで、また行きたいものです。
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