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信楽焼ではないタヌキ

 知多半島南部限定のローカル媒体で企画した「常滑市街南部にやきもの散歩道の新コースを勝手に設定してみた」という話の続き。
 常滑市街南部のやきもの名所に、山方町の丘の上に伽藍を構える天澤院があります。境内に陶彫がたくさん置かれていて面白く、過去にも同媒体で取り上げたことがあるのですが(→●□)、ほかにもこんなものが。

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 常滑焼の伝統産品、大きな甕の天水桶です。「ヨリコ造り」という技法で形成され、表面に石膏型でかたどった龍を貼り付けたもの。

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 見事なものである。この細かな凹凸、思わず撫でさすりたくなるのが人情というものですが、ここでなら撫でさすっても怒られません。
 境内には三組の常滑焼の甕の天水桶があり、一組は松下福一、二組は松下衍(ひろし)の作。この二人は親子で、松下家が天澤院の檀家だった縁で寄進されたそうです。

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 境内にはほかにも珍品のタヌキの甕が脈絡なく置かれていたりして、ちょっとびっくりします。御住職に聞くと、これも松下衍の作とのこと。
 松下衍(1926-2002)はヨリコ造りの名人との呼び声高く、松下衍が作った同様の大きな甕を市内のあちこちで見かけます。最晩年には常滑市無形文化財に指定されますが、その足跡を紹介する資料がほとんどなかったので、その娘さんを探し出し話を伺いました。
 取材の場所は、やきもの散歩道Aコースにある旧宅兼旧展示販売店舗。いつもはシャッターで閉ざされており、散策していてもそこが店とはわかりません。何度もその前を歩いていた僕も全く気づきませんでした。
 で、店の中に入ると驚くべき光景が。

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 なんとそこには大モノとタヌキが所狭しと並べられているではないか!

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 中庭を見せてもらうと、そこには甕とタヌキでいっぱい!凄い、凄すぎる!
 聞けば、松下衍は大モノの職人として甕などを手掛ける一方で、趣味でタヌキの置物やタヌキをモチーフにした製品を数多く作っていたとのこと。タヌキの置物は知多半島の寺などでときどき遭遇しながらもほとんどスルーしてきましたが、今後はもっとじっくり観察して松下作品かどうかを見極めないといかん。

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 ほかにも店内には茶器やら壺やら多彩な製品があって、時間が許せばもっとじっくり見ていたかった。今回は触れられたのは本編の三分の一ほどだけでしたが、やろうと思えば松下親子だけで特集が組めたほど。本誌が続けばいずれまた…。
(まさ)

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MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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