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見えざる地名

 春夏秋冬叢書「そう58号」連動ネタ。ようやく重量制限から脱出…。
 毎回やってる地名探訪、今号は「重」がキーワードということで、飯田市南信濃地区の八重河内(やえごうち)を取り上げてみました。八重河内は、秋葉街道の青崩峠・兵越峠を越えたところの広域地名(旧村名)で、面積は蒲郡市くらいあるのに平成29年5月時点での人口が101人・50世帯という山奥の超過疎地域です。広大な区域にごくごく小さい集落が散らばっています。
 八重河内のなかで、峠のすぐ北に位置し、複数の集落で構成される此田(このた)地区は、急峻なV字谷(中央構造線)の東面の高所にあり、素晴らしい絶景が楽しめます。

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(此田本村)

 今回の取材には国土地理院の2万5千分の1地形図を持って行ったのですが、地図マニアとしてはちょっと捨て置けない、不可解なことに遭遇しました。地形図で「柿平」と記されているところで、たまたま出会った爺さんから話を聞いたときのこと。地形図を見せながら「ここって、柿平ですよね?」と聞くと、「いや、ここはミヤノタイラだ」と仰るのです。
 どうゆう事?と疑問に思ったので、お爺さんから此田区内の集落名を聞き出し、そこを辞してから和田(遠山郷の中心地区)の図書館で郷土資料を参照して補足したところ、どうやら地元では下の図ような集落名が使われており、地形図の記載が実態に即していないことが判明しました。

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※クリックで拡大します

 うーむ、どうしてこういうことになったのか。
 戦前に発行されたこのあたりの地形図も見たところ、地名の記載は現在と同じ。ということは、国土地理院の前身である陸地測量部が最初に表記を間違えてしまい、そのまま誰にも指摘されることなく100年近く放置されてしまった…のでしょうか?それとも何か自治組織等に関係する事情があり、あえてこのような表記にしたとか?

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(宮の平)

 そのうち集落が消滅してしまう可能性もあるので、そうなる前にせめて「宮の平」だけでも載せてあげればいいのに、と思います。国土地理院の方、ぜひ現地調査&御一考を!

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 ちなみに、地図にある小嵐(こおろし)というところは、何年か前に最後の一軒(島畑という民宿)が八重河内本村に移転して集落が消滅。小嵐へ通じていた国道152号は三遠南信道の工事のため通行止めになっており、集落跡に行くこともできなくなってしまいました。
(まさ)

180314-1.jpg
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MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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