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無縁堂の無縁者さん

 春夏秋冬叢書「そう」56号が発売中です。今号のキーワードは「無」。私は例によって「地名探訪」「三遠南信産××育」をやっております。
 今号の地名探訪は無の付く小字がやたらと多いため、拡大版になっています。オーソドックスに地名の由来を現地に行って考察する「無之地」のほかに、調べてみたら意外に話題が広がった「無縁堂(田原)」と「無知押(設楽)」の三本立て。このうち無知押は、文章が女性取材記者(まり)で写真がわたくしという、何年かぶりの夫婦合作に…。
 さて、数ある三河の無地名の中でもっとも強烈だったのが、田原市中山町の小字、無縁堂。何がすごいかというと、この小字には墓しかないのである!



 中山の村はずれの、畑の中に区切られた狭い一角が字無縁堂になります。航空写真でもご覧ください。

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 無縁堂というくらいだから、最初は無縁仏を祀る場所かと思っていたら、中山地区の共同墓地でした。

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 周囲にはキャベツ畑や菊のハウスが広がっており、実に旧渥美町らしい景観です。これまでも地域性に富んだ好ロケーションの墓地景観をいくつも見てきましたが、渥美半島においてはここが最たるところではないでしょうか(オオゲサ)。
 本誌に記したとおり地名の由来は不明なのですが、ここに先祖代々の墓がある中山在住の知人によると、昔からこの墓地にいくつかある無縁仏の墓を「無縁者さん」と呼んで、何軒かが分担して世話をしているそうな。本誌には載せられなかったその無縁者さんの墓のひとつがこちら。

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 コンクリートブロックで囲った区画がなかなかの味わいですが、どれも墓石一基につき水と花が手向けられ、手厚く祀られています。話を聞いた方によると、墓参の際には必ず自家の墓と無縁者さんの墓に手を合わせていくといい、「あまりに当たり前にやっていることなので、無縁者さんのことを深く考えたことはなかった」とのこと。この方の家は村を開いた一族の末裔にあたるそうで、おそらく何世代も前から受け継がれている風習なのでしょう。

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 中山の写真が墓地だけではなんですので、無縁堂から徒歩1分のところにある神明社の写真でも…。
(まさ)

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MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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