春夏秋冬叢書
「そう」51号が発売されております。今号のキーワードは「間」ということで、毎回やってる地名探訪では水窪の針間野を取り上げてみました。本企画ではかつて人口ゼロの小字をやったことがありますが(上津具の冬ヶ洞→
●□)、完全な廃集落を出すのは12年やってて初めてです。
そもそも針間野がどこにあるのかというと、水窪のほぼ最北端(すなわち浜松市の最北端)、長野県の県境近くになります。地形図を見ただけでとんでもない場所にあることがお分かりいただけるかと。
地形図には、集落へ通じる道路が点線しか描かれていませんが、実は車で近くまで行くことが可能です。

三遠南信道の草木トンネルを抜け、ヒョー越の方向に2キロほど進んだところで分岐する「林道針間野線」に入ります。この林道は途中から未舗装。

地形図では途中で道が途切れていますが、実際はその先約1キロ、民家の真上まで作業道が伸びています。ただしこんな道なので、よっぽどの物好きでなければ行かない方がいいでしょう。クマとか出そうな雰囲気だし。
作業道の終点から集落へ下りてゆく道はちょっとわかりにくく、なんとかルートを探し出してようやく到達。

針間野の半分は林の中。家の土台跡や崩れた家屋が見られ、かなり早くから転居が進んでいたことが窺えます。

もう半分は開けており、畑の跡と、転居から二十数年~数年前を経過したと思しき廃屋が何軒か。
でもって、集落の中には例によってHINOMIが!
森林鉄道の廃レールを転用した、小ぶりな火の見櫓でした。拙著「火の見櫓暮情」から七年経ちましが、未だに三遠で未見のHINOMIがあるとは、地理的にもテーマ的にもなんと奥深いことか…。
(まさ)
スポンサーサイト
コメント