傷だらけの柱

2015年06月25日
 春夏秋冬叢書の季刊誌「そう」47号連動ネタ。
 巻頭で「目」に関連する童謡が特集されており、そのうちのひとつ「刻み目」を受け持ちました。刻み目とは木に刻んだ目盛のことで、「柱の傷はおととしの五月五日の背比べ」で唄われる柱の傷がそれです。
 本編では日色野の古いお宅の柱の傷を取材させてもらいましたが、「こんなところに背比べの傷があったらウケるなあ」と思って、奥三河の有名民家を訪ねてみたりしました。

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 豊根村にある有名民家、熊谷家住宅である(→●□)。もし国指定重文にあったら、それこそ文化財級の背比べの傷じゃないかと思って。
 で、お願いして家屋内にある柱を見せてもらったら、そのうち一本に無数の傷がついていて、ぶったまげた。

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 おお、文化財級の傷である!って、どうみても背比べの傷ではない。
 当主によると、これらは鎌の刃の先端を柱にぶっ刺してできた傷とのこと。鎌を使い終わったらブスっと刺して収納(?)し、鎌を使うときはスポッと抜けばすぐ使えるので、あ、こりゃ便利。

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 さすがに直接刺すのはどうよ、と思ったのか知らんけど、このような「鎌の引っ掛け場所」も設えられていました。ううむ、文化財級である。
 当主に聞いたところ「この家で子供の背を計って柱に傷を付けたことはない」と断言されたのでした。このほか同じ国重文で、引佐の鈴木家住宅も見せてもらったけど、こちらにもなかった。う~ん、連続流局。
 ちなみに「子供の日に身長を測って柱に傷を付ける」という風習は全国どこにもなく、大正時代に作られたこの歌によって広まったと考えた方がいいようです。
(まさ)

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