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現代版、音二郎現る

 さてさて、遅くなりましたが東京に行ったワケを書かねば年は越せません。実は三谷幸喜作・演出の「恐れを知らぬ川上音二郎一座」のチケットを入手していたのです。日比谷の芸術座が、シアタークリエとして再スタートを切ったこけらおとしで、千秋楽も狙っていた待望の公演。だからどうしても外せなかったのです。結局、千秋楽は取れませんでしたが、入手できずに悔し涙を流す人がいるなか、取れたこと自体がメデタイこと。私は夜行バスで、金沢の友人は飛行機で東京に向かい、今回は友人4人で観にいってきました。
 有楽町駅から徒歩5分、NHKでも紹介されていた “女性にやさしい”劇場は、オープンしたばかりの清潔感が漂っていました。611人収容の小ぢんまりとした客席は、舞台との距離が近く、後ろの席でも楽しめるよう設計されてました。東宝の女性支配人こだわりのスルーできるトイレ(入り口と出口が別)にも入り、劇場限定のチーズケーキも購入しました。
 開演は午後6時半。巨匠、堺正章が講釈師として舞台に上がり、いよいよ芝居の幕開け。役者の表情を見たいがために、コンタクトの上にメガネを掛け、友人の手元にはオペラグラス。身を乗り出しての万全の体勢で、のぞみました。
 芝居の内容をざっと説明すると、川上音二郎とは明治期の俳優、芸人で、社会風刺を歌ったオッペケペー節で名を知らしめた人気者。27歳の時に一座を結成し、ニューヨーク、ワシントン、ロンドン、ロシア、フランスと海外にも進出した、まさに恐れを知らぬ人だったらしい。劇中では、シェークスピアの「ヴェニスの商人」を一夜漬けで演じたという実話をもとに、三谷さんの手腕で面白おかしく膨らませ、ここが山場になってきます。前半では川上音二郎と妻の貞、一座の変遷を、3分間ドラマのように小気味良く紹介し、後半は芝居の稽古、本番という流れで、いつもの三谷ワールドに染めていました。
 主演、音二郎を演じるのは適当ぶりが板に付いているユースケサンタマリア。妻の貞奴は常盤貴子。その周りを堺正章、戸田恵子、堺雅人(新撰組総長の山南さん役)、浅野和之、堀内敬子ら舞台人が固めています。前回の「コンフィダント絆」にも出演した堀内敬子さんは、津軽弁なまりが激しいオナゴになりきり、これがまた似合うしカワイイ!歌舞伎の女形を演じた浅野さんは、立ち振る舞いを見ているだけで笑え、音二郎の愛人、ホイットモア夫人を演じた瀬戸カトリーヌは、英語なまりの日本語が抜群!舞台中盤、瀬戸カトリーヌが客席に現れ、「サクサクの~雷おこし(違ったかも)いかがですか~」と売り子に扮し、ボックス席の観客に「座席の後ろに紙袋があります。金髪のカツラをつけてアメリカ人になりきってください!」と予想外のフリが。私と友人は、なんてウラヤマシと見つめておりました。
 今回は客席も舞台として使用し、何度、役者が通ったことか。役者の匂いを間近で感じたかった~。休憩をはさみ、すべてが終わったのは22時。約3時間もの劇を2ヶ月間も演じ続けていた役者の方々は凄い!ちょっとマチャアキの声が掠れすぎて聞こえ辛かったのが残念でしたが、疲れがピークに達していたのでしょう。ユースケはユースケそのままでしたが、大ぼら吹きの音二郎役にはピッタリ。ヴェニスの商人のアントーニオを演じた今井朋彦さんは、セリフがなくても存在感がありました。舞台人だけで固めずに、新しい舞台人を育てていくその手腕。観客をも巻き込んだ、こけらおとしにふさわしい、お芝居でした。(まり)
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あきお

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MARUKA-DO

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東海地方を縦横無尽、
全国各地に神出鬼没の
取材・執筆・編集事務所。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住

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