アウトオブ絶景本0010

2010年09月10日
 最近出掛けてなくてネタがありませんので、拙著「鉄道でゆく東海絶景の旅」(風媒社/1575円/詳細→●□)のボツネタをしつこくお蔵出し。
 ちょうど一年前、旧岩村町(現恵那市)の外れに位置する富田という集落へ行きました。ここのキャッチフレーズは「農村景観日本一の地」。ええーっ、言い切っちゃう!?そりゃ確かに恵那郡一帯の農村風景はどこを取っても美しいけど。おそらく岐阜県以外ではあまり知られていないと思いますが(いや県内でも忘れられているだろう)、ずいぶん昔に耳にしたこのフレーズがずっと気にかかっていました。
 展望台もあるというし、日本一というなら取り上げなければならんだろう、ということで、稲穂が実る時期を狙ってやって来ました富田集落。道路沿いには、国土地理院の土地利用図みたいな細かい案内地図が。

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 あまりPRしているという話は聞こえてこないけど、新しそうなカンバンだし、地元では頑張っている気配も窺えます。
 明知鉄道飯羽間駅から2キロチョイ、国道363号沿いの村外れの高台にある展望台へ登ってみると…

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 おおー、絶景…というにはチトきついが、なかなか美しくシブい眺めではないですか。さすが日本一の農村景観!って、いかにハードルの低い僕もそこまでは言い切れないぞ。
 展望台にあったカンバンには、このような解説が。

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ここの眼下に広がる田園は、総面積150Ha位あり、岩村町の約半分を見ることができます。「農村景観日本一」の称号は、昭和63年に全国の環境問題を研究して見えます、京都大学・木村教授から頂き、マスコミが一斉に報道し、一躍脚光を浴びたものです。
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 誰なんだ、環境問題を研究する京大の木村教授って。だいたい何しにここへ?突っ込んで調べるべきところですが、結果的にボツにしたので深追いはしませんでした。そのうちヒマができたら調べてみます。
 個人的には富田の農村風景は、公平に見てもいい線行ってるとは思いますが、「日本一」なんて名乗ると揶揄されるのは目に見えているし、木村教授もリップサービスが過ぎるというか。当時の行政関係者もつい乗せられてしまったというところでしょう。

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 まあでも、美しい景観であることには変わりない。農村景観が眺望のメインという展望台もそんなにないので、あとは展望台の手前に植林された杉を切り倒して、もう少しワイドな眺めを楽しめるようにしてほしいところです。しかし、展望台を作ったあとほかりっぱなしという行政が多いのは、なんとかならんのか。→●□とか、→●□とか。

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 集落の中に入り込むと、茅葺き屋根の家も。う~ん、しっぶ~い!
 大恵那市には、中野方の棚田とか山岡の寒天乾燥場とか串原の高地集落とか特異な農村景観が多いので、富田に限らずまとめて売り出すような方策を行政は何か考えてもいいんじゃないだろうか。

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 これはオマケ。国道363号沿いに国鉄バス恵那線の遺物がまだ残っていて驚いた。
(まさ)
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中濃・東濃雑 | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
日本一
数年前に、あのあたりを通りがかった時に「農村景観日本一の地」という
かんばんを見つけて行って来ました。
まったく同じ感想でしたね。
ただ、私は冬に行ったのでなんということは無かったんですが、
確かに稲穂の実った景色はキレイですね。
田んぼと農家のバランスがいいということなんでしょうか。
「木村教授」がそう感じたんならしょうがないでしょうね。

あのあたりは、なぜか日本一にこだわっていますね。
山岡の道の駅の「日本一の水車」や、瑞浪市稲津町稲荷神社の
日本一(世界一ギネス登録)の大皿、陶町大川の巨大狛犬と巨大茶壷。
一日で日本一をこれだけ体験出来る地域はあんまり無いんじゃないでしょうか。

山岡の小里(おり)川ダムは、エレベーターでダムの真下に降りられます。
春先とかいい時期じゃないとドーッという放水は見られませんが真下から見る
ダムも絶景ではあります。
エレベーターの通路にギャラリーがあり、地元の小学生の絵や習字が
展示してありますが、中に「下流の安全」という習字が入選してましたね。
そんなこと子供に書かせるなんて、、、とちょっと思いました。
No title
確かに!日本一への執着は東濃特有のものですね。多治見の高温もそうだし。しかも、だからなんなんだと突っ込みたくなるような、一発ギャグ的な日本一が多いという。
小里川ダム自体はいただけませんが、ダム建設がらみの地域振興策で設置された道の駅は、地元の婦人らが頑張って運営してて、好感が持てますよ。
No title
ボクも同感です。って、同感3種盛りにしてどうする!?

かつてK出版社で恵那の古写真集を買ったお客さんから猛烈な苦情が来て、
本社から、「頼むから代理で詫びに行ってくれ…」と懇願され、
丸1日かけて恵那市の山奥にある坂折の里のさらに奥地にある、そのクレーマー様のご自宅を訪ね、
写真の無断転載とやらを深々と謝罪いたしました。
(何でオレが?っていうのはナシなのよね…グスン)
でも、そのときに見た坂折の棚田は、今まで全国各地で見てきた棚田とは趣を異にしていました。
「棚田」のイディアとでも大げさに申しましょうか…
笠置山を借景にすばらしい擂り鉢状の盆地地形が展開し、
稲刈り直前の銀波のうねりは、
見事というほかありませんでした。

http://sakaori-tanada.com/

「里山」を顕揚するなら、岩村方面よりも、こっちの方がはるかに絵になりましたね。
つい3週間前にも、岩村→明智→小渡→名古屋と帰る道すがら、その富田へ寄ったワケですが、
「日本一」に血道を上げる理由を考えあぐねていたワケですよ。

No title
実は坂折は、不覚にもまだ足を踏み入れたことがないのです。東濃地方の旧自治体では、なぜか旧恵那郡中野方村だけ行ってないという…。

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