アウトオブ絶景本0006

2010年09月01日
 昨日に引き続き、拙著「鉄道でゆく東海絶景の旅」(風媒社/1575円/詳細→●□)のプロモーションシリーズで、三重県のボツネタ。
 紀伊長島駅から熊野市駅にかけてのいわゆる「東紀州地方」は、延々とリアス式海岸が続いてて、どこを切っても風光明媚。交通の便が悪いので行くのは面倒だけど、大好きなエリアです。本書でもこの区間は、三野瀬、波田須、熊野市(鬼ヶ城)と、3か所も取り上げております。
 入れようかどうしようか最後まで悩んで結局ボツにしたのが、尾鷲駅の次の大曽根浦駅付近にある「大曽根浦公園」。造成してからあんまり手入れをしていないような風情の公園で、観光スポットでもなんでもありません。

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 最寄りの大曽根浦駅は、紀勢本線のなかでもかなり地味度がかなり高い駅。じゃあ紀勢本線に地味でない駅があるのか、と言われると返す言葉もないんだけど、なんというか、ただでさえ小さい尾鷲の町のいちばん端っこというようなロケーションが、パッとしない感に拍車をかけているんですね。
 ただ3年前に、駅から徒歩10分ちょっとのところに「熊野古道センター」という立派な施設ができたので、この駅を利用する観光客は増えているかも(いないかも)。そういえば一年前に行ったときは、紀勢本線全通50周年記念の企画展をやってて、マニアックな展示物が並んでてなかなか面白かった。
 大曽根浦公園へは、熊野古道センターとは逆方向に国道を歩いて同じく10分ちょっと。

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 大曽根浦公園からは、紀伊山地と尾鷲湾に挟まれた狭い土地に広がる尾鷲の町が一望できます。尾鷲火力発電所の巨大煙突がいいアクセントになってて、妙に辺境感を醸し出しているのがミソ。
 山と海によって周囲と隔絶されたこの雰囲気、島根県の浜田とよく似ています。考えてみると、尾鷲も浜田も風待ち港として栄えたという共通点を持っている。まあ、尾鷲と浜田を比較してもあまり意味はないですが。

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 北を向くと、真下には養殖筏(マダイか?)がゆらゆら浮かび、その脇を時おり漁船が疾走してゆきます、遠くに見えるのは紀北町(旧海山町)引本の集落。
 ここに立つと尾鷲の経済がどうやって成り立ってきたのか一目でわかるという、小学校の社会の授業にピッタリの場所なんですが、ガイドを書くには文字量が多く、エッセイにするには文字量が少ないという、イマイチ中途半端なところが仇となってボツ。天気もイマイチだったし。
(まさ)

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鉄道でゆく東海絶景の旅
著者 内藤昌康
定価 1575円
発行 風媒社

100316-1.jpg ←クリックで拡大します
2010年版地図ガイド 知多四国巡礼
監修 知多四国霊場会(内藤は執筆・撮影・地図ディレクションを担当)
定価 1500円
発行 歴遊舎
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三重雑 | Comments(1) | Trackback(0)
Comment
No title
ここに立つと尾鷲の経済が…
のくだり、確かにそうですね。
素晴らし着眼点だ!
伝統の水産業から発電所誘致、荒れ放題の山林を遠望しつつ偲ぶ林業まで。
実にわかりやすい教材だ。

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