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  •  その近江大浦駅から出ていた国鉄バスに、菅浦という湖畔の集落への支線がありました。 菅浦は、琵琶湖北端に突き出した「葛籠尾半島」の先端に位置する集落です。昭和40年代後半まで道路が通じていなかったので陸続きなのに孤島状態で、最寄りの町場である大浦へは渡船が通じていました。アクセスしやすくなった今でも秘境感に満ちています。 大浦からの国鉄バスが走るようになったのは昭和49年(1973)。昭和末年から平成初期... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。ここまでは北陸本線の各駅を取り上げてきましたが、最後は湖西線の永原駅。 琵琶湖の北端に面する旧西浅井町は、西半分が旧永原村、東半分が旧塩津村で、湖西線永原駅は旧永原村の玄関口になります。平成12年(2000)にログハウス風のコミュニティハウスが建設されていますが、以前はこんな駅舎でした。(1993.09.10) 駅舎というか、築堤の出口に屋根と小屋を置いただけで... 続きを読む
  •  さらに国鉄バスばなし。 木之本町内には、木ノ本駅から国道303号を岐阜県方面に向かって走り、県境近くの金居原(かねいはら)まで通じていた「杉野線」がありました。 この路線は昭和24年(1949)の開業時から昭和50年ごろ(詳細年未調査)まで、2.5kmほど先の土倉まで運行されていました。 上の路線図を見ると、終点の一つ手前に「鉱山寮前」とあるように、ここにはかつて銅を採掘する土倉鉱山と、鉱山労働者が暮らす「町」... 続きを読む
  •  まだ続く国鉄バス関連ばなし。 木ノ本と敦賀を結ぶ国鉄バス柳ヶ瀬線には、旧余呉町内に二本の支線がありました。ひとつは、国道365号を北上して中河内(なかのかわち)に行く路線。 ここは滋賀県最北端の集落で、北へ4kmほど進むと福井県境の木ノ芽峠です。隣の集落は、南の椿坂まで約6km、北の板取まで約9kmも離れており、隔絶感は湖北地方随一。古くは北国街道の中河内宿として賑わったらしいですが、今やその名残は見当たり... 続きを読む
  •  その旧中ノ郷駅跡、今は戦没者慰霊碑公園になっています。 なぜここに慰霊碑を建立したのかよくわかりませんが…。神社の一隅とか学校や役場の敷地ではよく見ますが、廃駅跡に慰霊碑を建立する例は全国的にも極めて珍しいのでは。 そしてその入口にはこんなものが。 旧余呉町時代のイラスト観光案内板だ!むかしは駅前や役場前などに手描きの観光案内板がよく建てられていたものですが(これとか→●□)、最近は滅多に見かけなく... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 その国鉄バス中ノ郷駅のすぐ北には、旧北陸本線/柳ヶ瀬線の中ノ郷駅の遺構が残っていました。(1989.08.09) このホーム跡は今も変わらずそのまま残っていますが、本書の取材の一環で久しぶりに訪れてみたところ、少し変化が。 駅名標のレプリカが新調され、日本遺産の案内板が設置されていました。日本遺産は文化庁が平成27年〈2015〉からやっている文化財保護と情報発... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 本書には、昭和40年前後に撮影された国鉄柳ヶ瀬線および木ノ本周辺の国鉄バス関係の写真を何枚も掲載しています。しかも、その多くはカラー写真。これは、木之本出身の高校美術教師でグラフィックデザイナーでもあった田辺宗一郎(1909~1990)が撮影しもののごく一部で、版権所有者である宗一郎氏の御子息と、写真を管理している地域づくりグループ「木之本町並み研究会」... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 伊香郡の中心地で、かつて交通の要衝だった木ノ本駅は平成18年(2006)年に橋上化。1階には「ふれあいステーションおかん」という物産販売所が入っています。 元の駅舎は50mほど長浜寄りに保存されており、「きのもとまちの駅」の表札が掲げられているので活用されているのでしょうが、開いているのを一度も見たことがありません。 その現役時代がこちら。(1997.04.13)... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 長浜駅、虎姫駅と同じく、高月駅も20年ぶりに来てみたら昔の駅舎が消え失せており、橋上化されていました。オープンは平成17年(2005)なので、もう15年以上も経っています。駅や町の規模に似合わずやけに大きな外装が特徴。土蔵か農業倉庫をイメージしたデザインでしょうか。 高月駅の古写真は、地元の人からの提供がなかったのでやむなく自分がむかし撮影したものを掲載... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフで、湖北の昔の駅写真シリーズの続き。 旧湖北町の玄関口である河毛駅には、平成6年(1994)に建設された「河毛コミュニティハウス」が駅舎代わりになっています。湖北のJR駅は醒ヶ井(→●□)、坂田(→●□)、虎姫(→●□)、余呉、近江塩津、永原にコミュニティハウスが設置されていますが、その走りが河毛と余呉。 今でこそ普通の駅ですが、坂田駅と同じく平成3年(1991)以前... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 湖北の国鉄バスといえば、私が持っている資料にこのような地図があります。昭和49年(1974)に発行された滋賀県北部と福井県西部の国鉄バス路線図の一部で、20年前、木ノ本駅前にあった西日本ジェイアールバスの派出所でコピーさせてもらいました(滋賀県部分のみアップ)。 早くに廃止された浅井線は掲載されていませんが、当時はまだこれほどの国鉄バスネットワークが健... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 そんなわけで国鉄バス浅井線の情報はただでさえ少ないのですが、虎姫起点のもう一つの路線、近江山本系統になると、写真どころか話も全然聞きません。 ルートはおそらくこんなところでしょうか。旧湖北町南部の馬渡(もうたり)、旧びわ町北部の富田を経て、旧湖北町西部の山本に至っていたと思われます。 旧湖北町の西部に位置する山本は、国鉄バス開業当時の自治体名で... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。 そんなわけでいささか地味な虎姫駅ですが、かつては旧虎姫町のみならず、東浅井郡全域の玄関駅という性格も持っていました。虎姫にはかつて東浅井郡役所があり(大正15年まで)、東浅井郡唯一の警察署である虎姫署があり(平成18年まで)、東浅井郡唯一の高等学校である虎姫高校が今もあります。虎姫駅と中心市街地の規模が小さいのでそうは思えないのですが、確かに「東浅... 続きを読む
  •  樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフ。北陸本線編の二つ目は虎姫駅。 ここも長浜駅同様、20年ぶりに来てみたら平成18年(2006)に建て替えられていました。コミュニティ施設と飲食店が入り「プラザCOCO」という愛称も付いています。 駅舎の一隅には阪神ファンが祀ったと思われる「虎神殿」も。なんというか、斬新な駅である…。この写真は昨年撮ったものですが、優勝した今年はエラいことになっているのでは。(2... 続きを読む
  •  だいぶ間が空きましたが、樹林舎刊「長浜・米原の100年」(→●□)のスピンオフを再開します。米原市内の駅舎の今昔をやったので、ここからは長浜市内の駅舎を(特記以外は2022年撮影)。 長浜駅の駅舎の変遷については諸説ありますが、ローカル雑誌「み~な」120号(2014年発行)によると以下のとおり。初代 明治15年(1882) 現長浜鉄道スクエア2代目 明治35年(1902) 現在地に移転3代目 大正12年(1923)4代目 昭和25年... 続きを読む
  •  前回記事の最後の写真、バスの右側は旧入出小学校の跡地になります。入出小学校は、新所小学校と昭和42年に合併して移転し、今の東小学校になりました。 現在もその名残で校庭が残っています。奥に建つのは「湖西市はつらつセンター」といい、高齢者の活動施設とのこと。 この建物で学んだ子供が老いるとはつらつセンターを利用することになるわけで、ここから巣立ち、ここに還ってくるという人生は、なんというか味わい深いも... 続きを読む
  •  春夏秋冬叢書「そう」79号連動ネタ。 その正太寺の門前には、正太寺バス停があります。 停留所板には「湖西市自主運行バス」と記されていますが、これは旧名で、現在は湖西市コミュニティバス「コーちゃんバス」が正式名のようです。 宇津山の麓には方向転換用地が確保されています。これは遠鉄バス時代からのもの。取材の際に久々に足を止めてみたら、ヤブに埋もれて「遠鉄バス反転地」のカンバンが残っており驚き。このまま... 続きを読む
  •  春夏秋冬叢書「そう」79号連動ネタ。 静岡県道333号の終点にあり、岬の名前にもなっている正太寺(しょうたいじ)は、三遠屈指の好ロケーションの寺です。標高52mの宇津山南面に境内が広がり、♪まえはう~み(湖)、うしろ~はハトヤ…、じゃなくて城跡があります。 湖岸から石段を登ると、昭和40年代の公営宿泊研修施設のような山門と、昭和40年代モダニズムな本堂が。公園のような開放的な雰囲気で、土地柄とよく合っている感... 続きを読む
  •  春夏秋冬叢書「そう」79号連動ネタ。 正太寺の少し先で唐突に終わってしまう県道333号ですが、地形図を見るとその道なき道の先には「正太寺鼻」という岬の名前が記されています。上の写真、正面に見える「宇津山」が湖に落ち込むところが正太寺鼻です。 入出には数えきれないほど来ている自分も、さすがに正太寺鼻には行ったことがありません(と言うか行こうと思ったことすらない)。道についての記事で、道なき道を歩いて終... 続きを読む
  •  春夏秋冬叢書「そう」79号が発売中です。今号のキーワードは「太」。それに絡めて、前号から始めたマニアックな道を歩いてみる連載企画「彼の道此の道社会学」では湖西市入出の正太寺門前と太田を結ぶ静岡県道333号を取り上げてみました。 3が三つ並ぶだけで意味もなくアガる道路マニアは、僕だけではありますまい。 県道333号入出太田線は全長わずか2.7km、湖西市内で完結する短距離路線です。昔は入出から太田を経て豊橋市中... 続きを読む

MARUKADO

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東海地方を縦横無尽、全国各地に神出鬼没の取材・執筆・編集事務所。
ライター/編集者/媒体によっては撮影も。
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まさ…岐阜・揖斐川町出身
まり…愛知・尾張地方出身
2003~2019愛知県知立市在住
2019~岐阜県揖斐川町在住
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